Q. 日本の税率の国際的な水準について教えて欲しい。
A. 国・地方合わせた法人税率の国際比較は、下表のとおり財務省ウェブサイトに掲載されています(表面税率から実効税率に置き換える調整を行った上で比較)。
国・地域 | 基本的な税率 | 留意事項 | ||
---|---|---|---|---|
日本 | 推移 | ~2013年 | 37.00% | 資本金1億円超の税率。ただし外形標準課税の所得割以外の部分、自治体独自の超過課税は 含まない |
2014年 | 34.62% | |||
2015~2016年 | 29.97% | |||
2017年 | 29.74% | |||
アメリカ(カリフォルニア州) | 27.98% | 市法人税は含まない(ニューヨークでは5%程度) | ||
フランス | 28.00% | 一定額以上への法人利益社会税等は含まない | ||
ドイツ(全国平均) | 29.90% | 営業税は、都市毎に賦課率が異なる | ||
中国 | 25.00% | 中央政府と地方政府の共有税 | ||
イタリア | 24.00% | |||
イギリス | 19.00% |
実効税率から見た場合、日本の法人税率は徐々に低減しており、今後も政策的に引き下げが行われていくこととされているものの、国際的には、比較的高い水準に留まっているのが現状です。
ただし、企業全体の事業コストから見た場合、以下のような点にも配慮が必要であり、税率は、あくまでも要素の1つです。実際には、具体的な事業計画を踏まえた、総合的な比較・判断が重要となります。
- 付加価値税の標準税率は、日本が最も低い水準であること(日本8%、中国17%、フランス19.6%、ドイツ19%等)
- 社会保障費の負担は、一般に、欧州諸国の企業負担が高い水準であること(事業主社会保険料負担の対GDP比 日本6.2%、英国8.7%、ドイツ10.6%、フランス13.9%等)
- 現実の企業負担(事業コスト)としては、結果として為替変動の影響が大きいこと