Q. 日本の税制全般の概要について教えて欲しい。
A. 日本の税制は、国が徴収する「国税」と都道府県や 市町村が徴収する「地方税」で構成されています。課税される対象 ごとに見ると、主に、以下のようなものがあります。
所得に課される税
- 法人または個人が所得を得た場合に課され、以下の種類があります。
ア 国税 …所得税(個人に課せられる)、法人税(法人に課せられる)
イ 地方税 …都道府県民税(個人、法人)、市町村民税(個人、法人)、事業税(個人、法人)
- 税率は、所得額、会社規模(資本金等)、進出先の地域等により異なります。
- 外国法人の場合、複数国間での公平性や二重課税が発生しないようにするため、進出形態により、課税対象が変わります。
進出形態 | 内 容 |
駐在員事務所 | 課税されない |
支店 | 原則として、日本国内で発生した所得のみが課税対象 |
子会社 (日本法人) |
原則として、発生場所を問わず、その法人全体の所得が課税対象。
なお、親会社に利益配当する場合は、配当額の一定割合の納税が必要(日中間は租税条約により原則として10%) |
* 実質的な業務内容により、税務当局が課税対象とみなす場合もありますので、注意が必要です。
財産に課される税
- 法人、個人ともに、所有する固定資産(土地、建物、事業に用いる機械・設備等)に対して、地方税である「固定資産税」が課されます。
- 税率は、市町村により異なります(1.4%程度)。
消費に課される税
- 商品やサービスの売上に、「消費税」が課されます。一部のもの(土地や有価証券の譲渡、利子など。医療、福祉の一部など)を除いて、ほぼ全てに課税されます。
- 中国の増値税にあたり、2019年10月から、税率は10%(飲食料品8%)です。
取引に課される税
- 取引や契約に伴って課されます。「印紙税(契約の種類・金額による。100万円の請負契約の場合は400円)」や「不動産取得税(3~4%)」があります。
*上記以外に、国税には「たばこ税」「酒税」「石油ガス税」などがあるほか、地方税には「都市計画税」「自動車税」などがあります。詳しくは、財務省や各自治体のウェブサイトで確認できます。