Q. 日本における賃金制度について教えて欲しい。
A. 日本における賃金制度で、主な制度・ルールは、以下のようなものがあります。
賃金支払の原則
- 賃金は、労働者に、毎月1回以上一定の期日を定めて、通貨で直接支払わなければなりません。
- ただし、労働者の同意を得た上で、本人指定の預貯金口座に振り込むことが可能です。
最低賃金の保障
- 最低賃金法に基づき、都道府県別に最低賃金が定められています。主な地域の2016年の最低賃金は、下表のとおりです。
- 最低賃金は、日本全体で人手不足の影響から、上昇傾向にあります。
(単位 円、時給)
項 目 | 北海道 | 東京 | 神奈川 | 静岡 | 愛知 | 大阪 | 福岡 | 全国平均 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最低賃金 | 861 | 1,013 | 1,011 | 885 | 926 | 964 | 841 | 901 |
*厚生労働省 ウェブサイトより
賃金制度
- 一般的な日本企業では、賃金は月ごとに支払います(月例賃金)。これに加え、賞与を夏季と冬季の年2回支給するのが通常です。
- 特徴的であるのは、以下の点です。
ア 月例賃金が「基本給」に加えて、「各種手当(住宅手当、家族手当、通勤手当等)」で構成されていること
イ 賃金額全体の中に占める賞与の額の割合が比較的大きいこと(民間企業の賞与は、平均して月額基本給の4〜5か月分) - 年俸制を導入する企業も増えています。日本の労働法令の下では、企業側に大きなメリットがない場合が多いのが実情ですが(別に取り決めないと、残業手当の支払は必要)、柔軟な働き方に応じた。
退職金制度
- 日本の殆どの企業では、何らかの形で退職金制度を持っています。勤続年数や基本給、退職理由等によって金額は様々です。
- 勤労者にとっては、社会保険料を課されず、所得税の課税対象が支給額の2分の1等、税制上優遇されています。
- 企業にとっては、一定の条件を満たした上で、退職金の積立として金融機関等に掛け金を拠出する場合には、損金処理をすることができます。