Q. 日本の雇用全般の状況について教えて欲しい。
A. 日本企業の雇用の特徴として、「終身雇用」「年功序列賃金」が挙げられてきました。グローバル化の進展や景気動向の影響などから、徐々にこうした傾向は薄れつつあるものの、旧来型の慣行も多く残っている状況です。
企業の雇用スタイル
- 日本の経済成長には、「終身雇用」「年功序列賃金」の特徴である、安定的な雇用が大きく寄与してきました。
- この一方、グローバル化の進展や景気後退の中で、雇用の柔軟性を増すために、非正規雇用者やアウトソーシングの活用、能力主義や成果主義による賃金体系を導入する企業等も多くなっています。
- しかしながら、下表のとおり、勤続年数は、国際的には引き続き最も長い水準にあります。
(単位 %)
国名 | 1年未満 | 1年以上10年未満 | 10年以上 |
日本 | 7.9 | 46.2 | 45.8 |
アメリカ | 22.3 | 48.9 | 28.8 |
ドイツ | 14.6 | 45.1 | 40.3 |
フランス | 15.1 | 39.2 | 45.6 |
韓国 | 30.7 | 47.7 | 21.5 |
オーストラリア | 20.9 | 54.1 | 25.0 |
*独立行政法人労働政策研究・研修機構『国際労働比較データブック2019年版』
生産年齢人口
- 日本の生産年齢人口(15~64歳)の国際比較は、下表のとおりです。人口減少への懸念が強まる中で、企業にとって人手確保は大きな経営課題となっており、FA化やAIの活用が進められています。
(単位 万人、%)
国名 | 2000年 | 2010年 | 2020年予測 | 2030年予測 |
---|---|---|---|---|
日本 | 8,701 (68.2) | 8,246 (64.1) | 7,482 (59.2) | 7,004(58.0) |
アメリカ | 18,583(66.0) | 20,646(66.8) | 21,514(65.0) | 21,767(62.3) |
ドイツ | 5,522(67.8) | 5,325(65.9) | 5,392(64.4) | 4,948(59.5) |
フランス | 3,838(65.0) | 4,066(64.7) | 4,020(61.6) | 3,980(59.7) |
中国 | 88,273(68.4) | 100,287(73.3) | 101,213(70.3) | 98,650(67.4) |
韓国 | 3,421(72.2) | 3,627(73.2) | 3,674(71.7) | 3,314(64.8) |
オーストラリア | 1,269(66.8) | 1,497(67.6) | 1,645(64.5) | 1,758(62.4) |
*独立行政法人労働政策研究・研修機構『国際労働比較データブック2019年版』