Ａ.　子会社を設置する場合、「株式会社」「合同会社」のいずれかによることが一般的です。
この内、株式会社の登記・届出は、他の形態に比べると、以下のような特徴があります。

• 駐在員事務所、支店と比べると、手続が複雑（独立した法人として登記するため、定款の作成、法で定められた役員の設置等が必要）
• 合同会社による子会社設置と比べても、手続が複雑（役員設置の条件が厳しい、株式の募集等が必要）

また、株式会社の設立には「発起設立」と「募集設立」の２種類があります。

方　式	内　容	特　徴
発起設立	会社を設立した時に発行する株式の全部を、発起人が引き受ける。	手続が比較的簡便で、個人が会社を設立する場合は、こちらが一般的。
募集設立	会社を設立した時に発行する株式の一部だけを、発起人が引き受け、残りの株式は株主を募集する。	大規模な会社を設立するために、あらかじめ多数の株主を募集する必要がある場合等に用いられる。

発起設立の場合

定款の作成

会社の基盤となる、以下のような基礎的な事項を決定します。

商号、本店所在地、事業目的、事業年度、資本金の額、株式の発行価額、会社の住所、取締役及び代表取締役、株主総会及び取締役以外の設置機関（*1）など

(*1) 会社法で定める「大会社／中小会社」「公開会社／非公開会社」の別により、設置義務や権利が異なります。

定款の認証

公証人役場で認証を受けます。親会社の登記証明書、宣誓供述書、発起人全員の印鑑証明等が必要となります。

設立時発行株式の払い込み

資本金の証明をするために、発起人が定めた口座に、株式の払込金額を払い込みます。

設立時取締役及びその他役員等の選任

発起人全員の議決権の過半数により、定款で定めた役員を選任します。

法務局への登記申請、印鑑届等の提出

• 発起人の定めた日または発起手続の終了日から2週間以内に、法務局で登記します。
• 登記申請書に添付が必要な書類として、発起人の同意書、印鑑届出書、取締役就任承諾書などがあります。

その他、操業に必要となる手続

登記が完了したら、法人名義の銀行口座開設、税務署、労働基準監督署などへの届出等が可能となります。

募集設立の場合

定款の作成及び認証

発起設立と同じ

設立時発行株式の募集

発起人全員の同意により、設立時発行株式を引受ける者（株主）の募集を行います。

募集株式の引き受け申込みと株式の払込金額の払い込み

応募した株主が、株式の引き受け申込みを行います。株式の割当が決定したら、発起人、株主は株式の払込金額を払い込みます。

創立総会の開催

発起人は創立総会を招集し、設立時取締役や定款で定めた役員を選びます。

法務局への登記申請、印鑑届等の提出

• 手続は、発起設立と同様。
• 提出書類について、発起設立に加え、「募集株式の引受け申込みを証する書面」「銀行等が発行する株式払込金保管証明書」が必要となります。

その他、操業に必要となる手続

登記が完了したら、法人名義の銀行口座開設、税務署、労働基準監督署などへの届出等が可能となります。

※所要期間は、定款の作成以降、概ね２か月
※手続は、専門業者（司法書士）に依頼するのが一般的